省エネに企業姿勢の表明に貢献ソニービルソニービルは、1966年の竣工以来、銀座・数寄屋橋交差点の「顔」とも言える存在だ。繊細なルーバーが並ぶ外堀通り側の壁面と、縦長に伸びる晴海通り側の壁面それぞれで企業姿勢を表すライティングを展開してきたほか、待ち合わせ場所として知られる足元の広場でも、印象的な光に彩られたイベントを催してきた。ソニービルが初めて外装にLED照明を取り入れたのは、2005年のこと。外堀通り側の従来のライトアップは、赤・青・黄に塗装されたパネルをルーバーの内側に立て蛍光灯で照らすものだったが、これをフルカラーLEDに取り替えて「ライトウォール」として新装した。「グリーン電力証書を利用するなど、ビル全体で環境対策、省エネを進めています。商業ビルである以上、利用者の快適性を考えると照明や空調での節減には限界もあるため、既存の照明をLEDに置き換えることは非常に有効な手段でした」とソニー企業シニアプロデューサーの佐藤義則氏は話す。年間の消費電力を67%(通常点灯時)、二酸化炭素CO2排出量を削減する効果があった。続いて07年には縦37.6m、横6mの晴海通り側の外壁を「アートウォール」として生まれ変わらせ、日本国内の屋外ライトアップ用としては初めて光の色温度を変えられる白色LED照明を導入した。この壁面には、建築竣工当初はブラウン管テレビを2300台埋め込み、幾何学模様やメッセージを発信していた。改装後も巨大なグラフィックアートを展示するなど、常に街ゆく人の目を引く存在だ。この壁はランプ交換が難しいため、長寿命のLEDを用いることが最適だった。街路灯からの影響を考慮して1台ずつ微妙に光の色を変えたり、車を運転する人の目にまぶしくないように器具の前面に格子を付けたりと細やかな配慮もしている。「このファサードは、07年から「Canvas@Sony(キャンバス・アット・ソニー)」という企画で、新進アーティストの作品を掲出する場として活用しています。ふだんは、パターン張りにしたアルミパネルが、望む位置によってさまざまな表情を見せるのが特徴です。両方を美しく見せるために、自然光に近い白い光を求めました」(佐藤氏)。美観や省エネ性能以外にもメリットはある。簡単な操作でライトウォールの光の表情を変えることが可能になって以降、環境省のグリーンライトアップキャンペーンなど公共性のある行事に積極的に参加したり、製品のプロモーションに活用したりするなど、光を通じてのビルの情報発信力は格段に増している。