僕らはバスに乗り込んだ。客引きの男が手を振ってくれた。これで百元の儲けである。僕らも手を振ったが、ふと、彼らのことが気になった。彼らはどうやって石家荘の街に戻るのだろうか。石家庄の高速入口から乗り、石家荘の高速出口でおりる。高速料金はいったいいくらなのだろうか。そこには中国式の裏道が用意されているのだろうか……。バスはゆっくりとエンジンを切った。五時半。大悟という町は、どうしてここがバスの終点なのか戸惑ってしまうほどの規模だった。
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山の頂にできたような小さな町だった。そこには中型バスが待っていて、これが武漢に向かうという。まだ百キロほどあるらしい。運賃は石家荘で払った額に含まれていた。バスは車の少ない道を転げ落ちるように進んでいった。けっこうな坂道である。アジアハイウェーは河南省の丘陵地帯を抜けて湖北省に入り、一気に長江に沿って広がる武漢の街に向かって下っていった。こんもりとした山々の下に武漢の街があるのかもしれないが、厚い雲海のような雲に遮られ、なにも見えなかった。