作られた製品は、ユーザーにどのような心理的効果を与えるのだろうか。自動車はただ走るための道具ではなく、その性能や特性がユーザーに爽快感や解放感、あるいは充実感などの情緒的な満足感を与えるが、同様に、下着も何らかの心理的影響を与えているに違いない。実際、前章で紹介した『女性の心理と下着に関する意識調査(2007)』では、質問票に自由記述の欄を設定し、下着に関して思うことを自由に書いてもらった。そこには、「お気に入りの下着」に関するコメントが数多く寄せられていた。「バレンタインにダークレッドのブラをつけて、気持ちが浮き立ちました(29歳)」「下着ひとつで気分が安らぐのか、気持ちが落ち着くのか、周りの人に。優しくなったね・と言われた(57歳)」「大事な場面に着用するとパワーが溢れて自信が出る(52歳)」「気分が落ち込んだ日に着ると安心できる(24歳)」「ステキな下着を身につけたときは、母から女になれます(47歳)」「お気に入り(の下着)で過ごすオフは最高に癒やされます(31歳)」。物理的には布の集合体でしかない下着に、さまざまな思いが込められていそうだ。では、下着にはどのような心理的効果があるのだろうか。また、そうした効果は下着のどのような特性によって醸し出されるのだろうか。こうした問題を考えるため、改めてデータを収集し、分析してゆくことになった。今回の調査は、首都圏在住の女性から下着の購買をリードすると思われる25〜39歳に年齢層を絞り、約1200人に実施した(『第2回・女性の心理と下着に関する意識調査』2008)。1回目の調査の自由回答などを基に、「お気に入りの下着」を使用した時に感じる心理的、情緒的感覚を項目にして、自分に当てはまる程度を回答してもらった。得られたデータについて、因子分析という統計的な手法で回答パターンを探っていくと、「お気に入りの下着」の心理的効果は、大きく三つに分けられることがわかった(『鈴木、菅原、完甘、五藤』2010)。「アピール」「気合」「安心感」である。
[参考]
Rue de Ryuの補正下着
http://www.ruederyu.com/